移動しやすい環境で、さらなる健康寿命延伸と重篤化防止を❕
自分らしい暮らしを続けるために
2022年度版高齢社会白書によると日本全国は、高齢化率は28.9%であり、平均寿命は男性81.56年、女性87.71年(2020年現在)と公表されています。10年前との比較では、平均寿命は男性が1.86年、女性が1.15年延びましたが、さらに健康寿命は男性が2.26年、女性が1.76年と平均寿命の延びを上回る結果でした。健康寿命を延伸することは、住み慣れた地域で自分らしい生活を続けることを可能にします。そのためには、病気の予防や管理、社会活動に積極的に参加すること等が老化を遅らせ現状を維持する上で大切であると言われています。また、病気や障がいを持つことになっても、適切なサービスを利用する事で重度化を防止し、在宅生活を継続することができます。
全高齢者を対象とした介護予防事業では、地域のサービス提供体制である地域包支援センターが、伊勢原市内に中部、西部、東部、南部、北部の5箇所を拠点として、高齢者の生活環境や生活そのものを支えるためのサービス、医療やリハビリテーション等をマネージメントしています。主に自治会単位で実施されているミニデイサロンや体操教室、介護予防教室等では、保健師や歯科衛生士、栄養士等専門職が派遣される機会もあり、身近な場所で健康増進の意識啓発に触れることが可能です。特に、認知症についての理解を地域全体で共有する等、高齢人口がピークとなる近い将来に向けて有益な情報にアクセスしておく事も大切です。一方、趣味や楽しみを続けながら、自分に合ったボランティア活動に関わる等も視野を広げ、外出の機会の確保につながり健康寿命を延伸する上で有益です。
「基本チェックリスト」を活用しよう
しかし、生活機能の低下を感じる場合は、市町村が実施する「介護予防・日常生活支援総合事業」の「基本チェックリスト」等を行った上で訪問型サービスや通所型サービスの利用につながることができます。「基本チェックリスト」は市役所高齢課の窓口や各地域包括支援センターで受け取ることができるので、該当事項をチェックし相談することで、迅速にサービス利用が可能となります。
移動の自由を進める
一方、高齢者の自立を支える上で欠かせないのが、免許証返納後や足腰が弱っても外出可能な環境をどのように確保するのかがポイントです。スーパーマーケットの大型化で、地域の商店街が姿を消し、高齢者にとっては徒歩圏内での買い物が困難となっています。また、自治会単位で開催されるミニデイサロン等も足腰の機能が低下し、通うことをあきらめている声をよく耳にします。交通不便地域の解決やドアtoドアの移動の確保は、高齢者の健康寿命延伸や重篤化防止にとって大変重要な問題と言えます。そこで、移動手段のひとつとして、社会福法人が所有する福祉車両を朝夕の送迎がない時間帯に活用する事例を紹介し、提案しました。「各地域で実施しているミニデイ(サロン)や介護予防教室などは、~現状として、自力で、あるいは徒歩等では通いづらいケースもあろうかと思われる。提案のように、地域資源の有効活用として、地域の課題克服に向け、課題を把握し、実施につながるよう取り組む~。」との答弁がありました。高齢者人口がピークとなる2025年や2040年に向けて、高齢者が安心して外出できる環境整備が迅速に進むよう働きかけて行きます。