子どもの人権の視点で考える『学校警察連携制度』
19日(火)神奈川ネットワーク運動では、アドバイザーに戸張雄哉弁護士を招き、『子どもの人権の視点で学校と警察の連携強化を考える』緊急学習会を開催しました。今年の2月に川崎市で起きた中学生死亡事件の後、教育委員会と警察の連携強化に向けた議論が進んでいますが、現在、県内33市町村のうち28自治体の教育委員会が学校警察連携制度の協定を締結しています。学校現場では児童生徒を取り巻く状況が複雑多様化し、困難な事例が増加しています。
しかし、児童生徒及び保護者と教師との信頼関係を基本とする学校教育の場から警察へ個人情報が提供されることの重大性を充分に考えて対応する必要がある、と戸張弁護士は強く指摘します。警察へ情報が提供されることは、児童生徒や保護者の学校に対する信頼が失われる恐れや学校の教育の質や機能低下が懸念され、児童福祉のあり方においても適切な対応を阻害しかねない等、子どもを見守り成長を助けることになっているのか疑問点は多々あります。児童生徒の安全確保のために学校と地域、また警察等が協力することは重要であり当然のことですが、学校警察連携の協定が無くても、現在の法制度で十分に対応できる、とのことです。個人情報の取扱についても学校警察連携制度が及ぼす影響は、将来にわたって子どもの成長が守られるのか、子どもの人権が尊重されるのか、と言う視点に立って慎重に見極めて行く必要があります。警察へ情報提供される前に、第三者的な立場にある教育関係者や法律の専門家の意見を聞くなど熟慮を重ね、子どもの人権の視点で冷静な判断をすることが求められます。