平成29年9月定例会~「薬害肝炎救済法の延長を求める意見書」の採択を求める陳情について 

2017年10月7日 23時54分 | カテゴリー: 活動報告

                      

 事故などで手術を受けた人や出産した人に対し、C型肝炎ウイルスで汚染されたフィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤が使われたのは、1964年から1994年の30年間で、その数は29万人以上と言われています。そのうち感染したと推定されるのは被告企業の控えめな推計によっても約1万人以上であり、国による救済措置を受けているのは平成294月末時点で2278人にとどまり、7000人以上の被害者が取り残されている状況です。「感染者は何の落ち度もないのに、不安におびえながら病気と闘っていかなければならない。」との声があるように、C型肝炎は放置すれば肝硬変や肝臓がんを起こす恐れがあり、未発症でも継続した治療が必要になるとの事です。

 国と製薬会社は防止対策が不十分であったために血液製剤投与で感染を広げた事の責任を認め、2008年(平成20年)111日に議員立法による被害者救済法が成立しました。この薬害肝炎救済法前文では、「人道的観点から、早急に感染被害者の方々を投与の時期を問わず一律に救済しなければならない。」との理念が謳われています。しかし、C型肝炎ウイルスで汚染されたフィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤が投与された期間の長さ、対象人数の多さ、救済から取り残されたと推定される被害者の多さから考えても救済措置は不十分・未達成の段階であり、「一律に救済しなければならない。」との言葉からはほど遠い状況です。

 また、被害者はカルテや医師の証言などで投与したことを証明できれば、裁判所への提訴・和解を経て補償が受けられますが、時間が経過していることにより被害者は「カルテの廃棄などで投与したことを証明できない」や「投与を知らないか、覚えていない」と言った事例が多数で、今後ますます証明は難しくなります。カルテ等の確認作業や調査に取り組む医療機がも全国に複数あるとのことですが、薬害肝炎救済法の請求期限である2018年(平成30年)115日までに調査及び請求を完了できる見込みは、数の上から言っても到底できることではありません。各医療機関に残存するカルテ等の調査や主な感染原因となったフィブリノゲンについては、現存する医療機関5677施設へ納入され、そのうちの1269施設には記録が残されているとのことで、被害者側にとっては証明の根拠となり、救済への貴重な資料です。しかし、薬害肝炎救済法の請求期限が過ぎ、法律が失効すれば残されたカルテや記録の調査が打ち切られる公算もあります。このように薬害肝炎救済法は、被害者の立場に立って、救済を阻害する要因をひとつずつでも取り除き、実効性のある救済を実施していくことが求められます。

 薬害肝炎救済法の請求期限は延長すべきと考えましたが、賛成が少数のため不採択となりました。