困難を抱える若者の就労支援の実践から

2017年4月9日 19時22分 | カテゴリー: 活動報告

 横浜市青葉区で認可保育園や小規模保育等7拠点で11の事業を展開するNPO法人『ぴっぴ・親子サポートネット』では、2007年から若者の就労体験受け入れを実施しています。46()小規模保育事業所『りとる・ピッピ』で理事長の友澤ゆみ子さんと副理事長の橋本富美子さんからこれまでの取り組みについてお話を聞きました。

 

 ひきこもりの若者支援を行う他団体から「若者がチャレンジする場所として連携してほしい」と依頼があり、『ピッピ保育園』や学童保育事業等の『となりのいえ』での実習がスタートしました。週1回、1日につき数時間の実習に通う事から始める人もいて、本人の様子を見ながら少しずつ日数や時間を増やす等息の長い支援を実施しています。実習を経て就労や次の展開への移行があるなか、事業所内での新たな業務に対応するために関係するスタッフも共に関わり、仕事手順の整備を進めたところ、職場環境全体が改善すると言う経験をしたそうです。具体的には、仕事のマニュアルづくりや理解しやすい手順の整理、業務の点検振り返りや情報共有等でスタッフも仕事の質や望ましいあり方について再認識させられ、意識改革につながったと言う事です。実習生にとっての働きやすい環境づくりは、事業所と実習生双方が向上できる結果をもたらしました。

 

 一方、横浜市から生活困窮者自立支援制度にもとづく認定事業所としての依頼を受け、就労訓練事業としては、困難を抱える若者たちの状況を共有する学習会を開催することから開始しました。就労支援においては、仕事についてのマニュアルづくりやジョブコーチの役割を確認すると共に、関係者による打ち合わせや振り返りを重ね、仕事の意義や意味を確認する事の重要性を共有しました。しかし、訓練事業は、就労支援準備事業とは異なり財政的支援はなく、実習生の交通費や謝金、ジョブコーチは事業所の負担となります。横浜市の就労訓練事業所は32カ所が認定されていますが、実施は半数との推定です。事業所と実習生双方に改善や向上が見られるのであれば、実施事業所の増加のための財政的支援が求められます。さらに、実習から雇用への移行が期待されますが、何らかの課題がある場合では、サポートを受けながらの可能な範囲での働き方である『中間的就労』の必要性があると理事長は指摘しています。長期間ひきこもってきた困難を抱える若者の自立に向けては、一人ひとりのあり方を尊重し、課題に対応する多様な働き方を選択できる制度が求められます。