重度化が心配される今後の介護保険制度改正

2016年7月31日 19時13分 | カテゴリー: 活動報告

2000年4月にスタートした介護保険制度は、高齢となっても残された能力を維持しながら自立した生活を送ることができるよう家族の負担を軽減し、社会全体が介護を支える制度でした。しかし、2015年度第6期制度改正では、急増する要介護高齢者への対策や介護財源の確保のために、介護給付の要支援1・2のヘルパーの「訪問介護」とデイサービスの「通所介護」を介護保険から外して、市町村の地域支援事業へ移行させました。伊勢原市では、当初2017年度の移行予定でしたが、国からの勧めもあり、2016年4月から移行しました。その他、事業報酬の減額や利用者負担の増額の改定も進められましたが、介護保険の利用者や事業者への説明は、33自治体への緊急公開質問では十分とは言えない結果です。しかし、2018年度の改正に向けて、要介護1・2も同様に移行することやさらに利用者負担増の方向での検討が始まっています。

その影響を具体的に見ると、伊勢原市の人口は101、757人(2016年3月現在)に対し、65歳以上は24、328人であり高齢化率はおよそ24%です。そのうち要支援・要介護認定者数は、3、901人で16%です。また、軽度者である要支援者から要介護2までの人数は、2、544人であり、認定者の65%です。その軽度者のうち、訪問介護(ヘルパー)利用者は436人(71%)、通所介護(デイサービス)利用は888人(77%)、福祉用具リース利用は745人(60%)であり、軽度者のおよそ7割の人たちの在宅生活に影響を及ぼす可能性があります。これらのサービスを介護給付から外して原則自己負担にすることは家族の負担増となり、重度化を加速させることが懸念されます。40歳から介護保険料の負担が始まりますが、払い続けていても、いざ必要な時にサービスが使えないのであれば、介護保険への信頼が失われます。給付費を抑制したとしても、重度化が進めば医療費の増大を招き、介護難民や介護困窮者を生み出す懸念が指摘されています。

今後の改正においては、介護保険制度の保険給付から「要介護1・2」の生活援助である訪問介護や通所介護、福祉用具等を外すことは、あってはなりません。