品川区の要介護度改善ケア奨励事業について

2016年2月1日 22時16分 | カテゴリー: 活動報告

現行の介護保険制度では、介護サービス事業者が質の良いサービスを提供することで介護状態が改善すると報酬が減少するという矛盾があります。これでは事業者の努力が正しく評価されないばかりか持続可能な介護保険制度の展望とはなり得ません。

東京都品川区では、平成25年度から入所・入居施設において入所者の要介護度が改善された場合には、介護報酬の減額分を補填する『要介護度改善ケア奨励事業』を実施しています。施設職員の質の高いサービス提供を評価することで意欲向上を図り、サービスの質を維持することを目的としています。区内の施設が自主的に立ち上げた『品川区施設サービス向上研究会』に加入している10施設を対象として、平成25年度は47名の方の介護度が改善されたことに対し6,800,000円、平成26年度は86名、12,460,000円が交付されました。また、『要介護度改善ケア奨励事業』についてのアンケートを施設長と総職員に対してそれぞれ実施して、質の高いサービス提供の継続についての意欲・意識の向上を図り、さらなる活性化につなげようとしています。この介護サービス事業者の努力が評価されない矛盾した状況については、介護サービスの評価のあり方についての検討と情報提供を求める要望が、平成27年11月に九都県市首脳会議から厚生労働大臣へ提出されています。
介護保険制度を安定した持続可能な制度として維持することは超高齢化社会を迎えるにあたりたいへん重要であり、また、質の高い介護サービスの提供を確保することは重篤化を防止し、介護給付費や保険料の抑制につながることです。国や地方自治体は、矛盾改善の取組に迅速に着手し、進めるべきです。