川崎市の池上新田公園視察と『川崎から公害をなくす会』との情報交換

2014年3月30日 01時22分 | カテゴリー: 活動報告

大気環境汚染対策

 伊勢原市の市民団体である『いせはら環境市民ネットワーク』は,川崎市の先進的な取り組みである大気環境汚染対策事業の視察を行いました.東京都と横浜市に挟まれる細長いかたちの川崎市には,何本もの国道が走り,他にも首都高や産業道路など大型輸送車両の走行が多く,沿岸部には京浜工業地帯が立地しています.神奈川県では,大気汚染の状況を把握するために,1971年から現在まで40年に渡り大気汚染物質である二酸化硫黄,浮遊粒子状物質,一酸化窒素等の常時監視測定を実施しています.また,交差点や幹線道路付近など,自動車の排気ガスによる影響を受けやすい区域の測定を行うために,県内31カ所には「自動車排出ガス測定局」が設置されていて,国道246沿いに位置する伊勢原市大住台の谷戸岡公園もそのうちのひとつです.大気汚染物質は主に,工場や自動車からの排出で,工場については,濃度規制や総量規制が,環境法令による環境基準で達成状況が監視されています.自動車から排出される大気汚染物質については,自動車交通量の増大等を背景に大きな社会問題となりましたが,ディーゼル自動車から排出される浮遊粒子状物質は大幅に改善され,平成23年度以降,環境基準の達成率は100%となっています.しかし,川崎市池上新田公園の池上局は,産業道路と首都高両道路の影響を受けるところに位置し,臨海部の物流拠点や工場に出入りする多くの大型車輌の通行や渋滞で,二酸化窒素の値が環境基準の「人の健康等を維持するための望ましい基準」に達成しない状態が続いています.

 

交通環境対策の先進事例

 川崎市は,交通環境対策として法律や神奈川県条例に基づく規制や市としての取り組みの制度を設けています.池上新田公園付近に設置されている首都高下道路境のグリーンウオール,自動車から排出されるガスを取り込んで土壌浄化する施設,道路沿いの歩道ブロックを二酸化チタン塗布で太陽光の下で窒素酸化物を硝酸イオンにする「光触媒インターロッキングブロック」舗装,歩道を環境緑地帯に整備する事業などです.

 

和解条項

 大気汚染対策施設を見学した後は,『川崎から公害をなくす会』との情報交換の時をもち,川崎から公害をなくし,公害で苦しむ患者,家族の救済や行政に公害対策をとらせる目的のために,第1次から第4次までの提訴を行い,和解成立までの長きに渡る川崎公害裁判のお話を伺いました.大気環境汚染対策事業の先進的取り組みは,川崎公害裁判の和解条項の道路整備の方針に従って進められた事例であり,住民自身による大気汚染測定は現在も継続して実施しています.